プロフィール
診療科目 |
産科、婦人科 |
出身 |
筑波大学医学群卒業、東京大学医学博士課程修了 |
経歴 |
東京大学附属病院およびその関連病院での勤務を経て、2014年10月札幌みらいクリニック開設 |
資格等 |
日本産科婦人科学会認定産科婦人科専門医
母体保護法指定医 |
自然分娩を基本に、出産の喜びを感じられる環境づくり
治療方針
「札幌みらいクリニック」の石渡瑞穂院長が目指すのは、出来る限り医療が介入しない自然なお産。そして、母親に新しい命の誕生を心から喜んでもらえる出産だ。石渡院長が産科医を選んだ理由のひとつは、実習で立ち会った出産に心が動かされたこと。「命の誕生の素晴らしさに素直に感動しました。それと同時に、こんなにも大変な思いをして自分を生んでくれた母に感謝しました」(石渡院長)と本人が言うように、出産に対する敬意と真摯な思いが診療の原点となっている。
自らが理想とする出産を提供したいという思いで2014年、札幌市厚別区に「札幌みらいクリニック」を開院。家族の絆を大切にするため、カンガルーケアや出産後の母児同室、母乳育児を勧め、診察や出産時には夫の同席を歓迎している。
「出産は母子ともに命をかけた大仕事ではありますが、自然な営みでもあります。順調な場合は医療の介入は必要ありませんが、その一方、何が起こるか分からないのが出産でもあります」(石渡院長)。その不測の事態が起こった際、迅速かつ的確な処置を施すのが医師の役割。特に出産時には、分単位での対応が生死の分かれ目となる場合もあるため、石渡院長は常に医療介入に際する選択肢を頭に入れて立ち会っているという。
不安を取り除くサポート体制
石渡院長は、“満足できるお産”を提供することが産科の努めと考えている。その“満足できるお産”とは、前向きな気持ちで臨月までを過ごし、リラックスした中で出産すること。そのため、検診時には胎児や母体の状態を確認することはもとより、精神的なサポートにも留意している。特に初産の場合は、変化していく体への対応や陣痛に耐えられるかなど、さまざまな不安を妊婦は抱えがち。これらを軽減するため同クリニックでは、助産師による保健指導に加えヨガ教室なども行なっている。
出産に際しては、陣痛時や分娩後の疲れた体で移動する必要がないよう、陣痛室・出産室・回復室が一体となった個室、LDRを用意。自宅の一室のような部屋で過ごすことで少しでも緊張感を和らげる配慮がなされている。出産時の痛みに音をあげてしまう際には、助産師の力が重要で、声がけや腰のさすり方ひとつで痛みの緩和につながるもの。ここでは、石渡医師と思いを同じくするスタッフたちがひとつになり、妊娠中から出産までサポートしている。
「大変な中で出産を乗り越えたお母さんは、いい顔をしています」(石渡院長)。心から喜びを感じられることで赤ちゃんへの愛情も深まり、その後の子育てにもプラスの影響が生まれる。そのため、帝王切開に切り替えた場合でも母親への配慮を忘れない。「帝王切開になってしまいました」と言うとマイナスの印象を与えてしまうため、「帝王切開にしたことで赤ちゃんを助けてあげられましたね」と石渡院長は声をかける。こうした細やかな心遣いの積み重ねが母親の安心感につながり、赤ちゃんを抱いて笑顔で自宅に戻る姿を見送ることが石渡医師の原動力となっている。
パートナーとして患者を支える
婦人科で受診する患者さんには、何に悩んでいるのか、それぞれの思いを受けとめることから始めるという石渡院長。それを踏まえて治療に関する丁寧な情報を提供。更年期障害なら、漢方薬の服用、ホルモン補充療法、プラセンタ注射といった治療法が考えられるが、それぞれにメリット・デメリットがある。「治療の第一歩は本人の理解。医師が一方的に決めるのではなく、患者さんが自分の状態と治療法を理解し、納得のできる選択をすることで前向きに病気に向き合うことができます」(石渡院長)
病気であれ出産であれ、患者のパートナーとして本人が前向きになれるよう支えていくことが石渡医師のモットーとなっている。